「熊乃前鋼材 × 法政大学」健康経営プロジェクトスタート!
昨年「法政大学人間環境学部 2023年度秋学期人間環境セミナー」登壇の際にお伝えした、法政大学人間環境学部 金藤ゼミナールとの産学連携がスタートしました。
熊乃前鋼材の健康経営プロジェクトは、従業員1人ひとりの健康維持・増進を会社として戦略的に取り組むことで、「生産性の向上」「企業価値の向上」「労働災害の減少」につなげて行ければというところから始まりました。
本プロジェクトは、健康経営のエキスパートである法政大学の金藤教授を招聘し、金藤ゼミの学生さんにもご協力いただきながら共同で進めていきます。産学連携によるさまざまなメリットを活かし、当社の課題解決のみにとどまらず、中小企業の持続可能性や、製造業界全体の問題解決に役立てればと考えています。
健康経営の目的「生産性の向上」「企業価値の向上」「労働災害の減少」とは?
Ⅰ 生産性の向上
生産性の向上とは同じ時間、労力、資源でより多くの成果を生み出すことです。生産性が向上すれば、企業は少ない資源で大きな成果を上げることができ、組織として成長することができます。
2 企業価値の向上
企業イメージの向上、ステークホルダー(従業員,従業員の家族,投資家,株主,金融機関,地域社会,行政,各種団体)に対する信頼獲得、従業員のエンゲージメントの向上(従業員が自社の企業理念に共感し、自発的に企業の業績向上のために貢献したいと思う意欲)のことです。
3 労働災害の減少
労働災害とは、労働者が業務中に負傷したり病気になったりすることなどを指します。労働時間、ストレス、自殺、安全面などの、社会的にも大きなニュースになるような問題があります。
金藤ゼミナールヘルスケアチームの皆様にもご協力いただき、初回の打ち合わせを実施しました。打ち合わせでは、当社の業務内容から企業理念をはじめ、現在の状況についてお話をしました。また、工場見学を通じて、当社の事業をより深く理解していただきました。
「カロママ プラス」 リンクアンドコミュニケーション様とのミーティング
第2回目のミーティングでは、金藤教授より、食事や運動を登録するだけで専門家からアドバイスがもらえるAI健康アプリの開発と運営を行う、株式会社リンクアンドコミュニケーション(現:株式会社Wellmira(ウェルミラ))の代表取締役CEO渡辺様と、取締役CPO入澤様をご紹介いただきました。
現在、健康経営の取り組みを、本業にいかに溶け込ませるかという視点で、モデル構築を検討中です。金藤教授よりモデル構築のプロセスをご提案いただいております。
モデル構築のプロセス
①社内の浸透
②職場環境の整備
③従業員の健康状態の把握
④健康診断の結果の活用
⑤本業への影響・評価
③従業員の健康状態の把握では、「カロママ プラス」のようなアプリを活用し、従業員に負荷なく導入することを目指します。リンクアンドコミュニケーション様には、カロママ プラスの使い方、また健康経営支援サービスとしての活用事例や管理機能等を、大変分かりやすくご説明をいただきました。
健康経営導入における社内浸透について
第3回目のミーティングでは、モデル構築のプロセス「①社内の浸透」についての検討が行われました。このプロセスこそが本プロジェクトの鍵を握る項目です。
今回のミーティングからヘルスケアチームの新2年生も加わり、金藤教授から改めて本プロジェクトの説明をいただきました。また、金藤ゼミの人材育成チームからのご提案として、従業員への意識改革として、従業員と健康経営の案を一緒に考えたり、委員会等の設置や従業員に対するアンケートの実施などのご意見をいただきました。
2024年4月現在、熊乃前鋼材の従業員数は、女性:17人(18〜20代、50〜60代が多い)、男性:34人(40〜50代が多い)特に年齢的なギャップが激しい状況です。健康についての意識は、年齢の違いや性別の違い、また個人レベルでまちまちです。一般的に若年層は健康への意識が低い傾向にあります。このような状況を踏まえ、教授とヘルスケアチームの皆様と、「①社内の浸透」についての意見と出し合いました。
こちらが今回のミーティングでの決定事項です。
【熊乃前鋼材】
- 健康経営取り組みのフローとして、まずは役員から実施し、6月の健康診断に向けて、1ヶ月ごとに取り組みの現状や成果に関する報告
- カロママプラスの有効性について調査する
- 《わかる範囲で》本業への効果(→アンケート調査を通じて明らかにする)
【法政大学】
- 社内浸透へのマニュアル(教員×人材開発・育成チーム×ヘルスケアチーム)
- 職場環境の整備(教員×ヘルスケアチーム)
⇒同業他社でブライト500を認定されている企業、ISO14001、健康経営
ガイドブック(健康経営度調査票)を参考に調査 - 健康への取り組みと本業との関係に関するアンケート調査票(教員)
- 健康経営データベースの作成(教員)
金藤教授のお話で印象的だったのは、労働災害の減少の説明の箇所で、「大企業ではメンタルをやられる人が多い。新人だけではなく管理職クラスも多い」現状や、「入社しても心が持たず、直ぐに辞めてしまう人が多い」ということです。
学生から社会人になると、いきなり社会という大きな波に1人で立ち向かわなければならず、誰しも不安でいっぱいです。更に、1年目は分からないことだらけです。人は心身ともに健康であれば前向きになれます。もしかしたら、学生さんたちこそ、健康について真剣に向き合わなければいけないのかも知れません。また、年齢がかさむにつれて身体の不調は出やすくなります。将来に備えての健康維持と増進は、VUCAの時代を生きる若年層にとって、とても大切なことだと思います。
当社も新卒採用、中途採用で5名の新しい仲間が加わりました。チーム熊乃前の一員として、1人ひとりが充実した日々を送れるように全力でサポートし、引き続き、法政大学の皆様と健康経営プロジェクトを進めて参ります。